既成の電子楽器の回路基板を取り出し半田付けして予め短絡させたものを、剥き出しのまま音を鳴らし、間にメタルやステンレスを挟み込みながら数台積み上げるか、または吊るしていく形でパフォーマンスを行う。
はじめはピアノの内部奏法、プリペアドピアノからヒントを得た。
シンセサイザーやリズムボックスなどの電子楽器の内部の基板を使って演奏すること、予め短絡が準備され音色の追求がなされることから、サーキット・ベンディングをプリペアドピアノの延長上にあるものと捉え直した。
同時に短絡によるもう一つの側面、予期せぬ音、偶然でる音への追求がなされた。
そのため数台の基板を積み上げ、または吊るし、メタルやステンレスを通して基板同士が短絡し合うことで予期せぬ音がより多く引き出せる事を発見した。制作したバグシンセは40台以上あり、実際のパフォーマンスでは6台から8台の基板を使用する。
これまでにライブハウスやアートスペースなどでソロ、複数での即興演奏や展示を行ってきた。